誕生日リサイタル

水曜日にまたアランに会えた。久しぶりに彼のお家で。まだ朝だったけれど、アランはスロークッカーで夕食を仕込んでいた。白が混じった無精ひげの彼はとってもセクシーで、ドアを入った途端に思わずハッとして駆け寄って抱きついてしまった。

セックスの途中で愛してると2度言ってくれた。本当に愛してくれているの?それともこれもゲームの一部?といろんな思いを馳せながら、いい匂いがする彼の身体に埋もれ、素敵な朝を過ごした。


もうすぐ私のお誕生日。普通にしていたら家族は私の誕生日なんて覚えてもくれていない。今年はアランに会いたいがためにその日にリサイタルをすることにした。夫の会社がスポンサーになってくれて、コンサートのあとにお客さんにバースデーケーキを振る舞う。アランはまだ私のアーティストの一面を知らない。知ったらきっと彼はもっと私を好きになってくれると思う。だから絶対に来て欲しい。。。でも来てくれないだろうな。


帰り支度をしていたらキッチンからアランの準備していた夕飯のいい匂いがしてきた。こういう幸せが私も欲しい。彼の奥さんにまた嫉妬してしまった。